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7/21(金)鶴間 菩南座
  出演:永井“ホトケ”隆&KOTEZ デュオ
「生演奏を聴きながら飲む恐怖の四畳半」というのがここ菩南座のキャッチだが、実際お客さんが入るスペースは四畳半・・もう少しあるかぐらいで、演奏するほんの少し高いスペースは一畳あるかないかだ。たぶんお客さんは20人くらいが限度だと思う。
P.A.というものは「当然」ない。いわゆるヴォ−カル・アンプだが、これにはエコーが入らない(ちゃんと接続すれば入るという説もあるが・・)ので歌はほとんど「素」だ。小さいギターアンプは大きな音量になるとすぐに「もう無理!無理!」と悲鳴をを上げるが、ノッてくると私も強引になり・・結果・・歪む。また、場所が小田急線の鶴間という決して地の利があるとは思えないところだ。マスターの話ではかっては厚木方面の米軍さんたちで賑わったということだが。まあ、私もこの菩南座がなければ一生この駅に降りることはなかっただろう。そしてこの日、駅近辺をぷらぷらと歩いてみたがこれと言って入りたいと思うような店はなかった。しかし、菩南座はこの地ですでに創設25年以上!経っている。いかにマスターが筋金入りかがわかる。
失礼ながらマスターは60才を過ぎていらっしゃる。しかし、先日も下北沢で飲んでいて道路に寝てしまい警察のお世話になったという現役の酔いどれだ。しかもこの時もっていた6センチあまりのナイフが銃刀法にひっかかり収監されたというカッコ良さ。
この事件は私達の間で「菩南座マスター失踪事件」として取り沙汰され心配していたが、なんのことはないマスターは檻の中でぐっすり寝ていたらしい。私もいろんな店で演奏しているが、つまらない店というのはそこのマスターがつまらない人なのだ。やはり演奏したいと思う店はまずそこのマスターがおもろいというのが大切だ。すると集まってくるお客さんもおもろい人が集まってくる。そうなるとP.A.がどうのとか、店が広いとか狭いとか、場所がいいとか悪いとかは関係なくなってくる。もちろんここには楽屋なんてものはないので、休憩時間は客席で飲みながらお客さんと話をするか、店の外に出るかだが、この季節、店の外には無数の蚊が待ち構えている。考えてみるとこの真夏にたくさん開催される野外の大ロックフェスとまったく対極のところにこの菩南座のライブは位置している。しかし、ここのお客さんたちはダイレクトに「素」の音楽が聴けて、狭い分だけ和気あいあいと話すこともできるし、ある種ノリも熱い。
酒もすすむ。また、高田渡やベンチャーズなどの意表をつくBGMもいい。この日はマスターがストーンズのアナログ盤を掛けようとしたのだが、ずいぶんと久しぶりだったらしく「バリバリバリ!」と雑音の固まりが四畳半に鳴り響いた。しばらくして回復したが、そのノイズまじりのストーンズがまたいい味を出していた。この小さな店が私はいますごく気に入っている。マスターも好きだ。マスターにはいつかこの店の歴史をじっくり聞かせてもらいたいと思っている。
そして、いよいよかってホテルのコックさんだったマスターの作る夕食を食べながら、私とKOTEZのライブを聴くという企画が8/26(土)に決行される。恐怖の四畳半でのディナー&ライブだ。ライブとディナーでなんと3000円という価格破壊だ。18人限定なのでどうしても来たい方は予約されるべし!電話は046-263-7252。
菩南座ホームページもあります→http://homepage2.nifty.com/ishoga/
ところでこの日もKOTEZとふたりでまるで誰かの家でやっているようなライブを繰り広げたのだが、先日手の骨を折ったKOTEZは満足に右手が使えないのでコップを使ってトレモロをかけるという技を見せてくれた。まあ、骨折したのに嬉しそうな彼の姿を写真で御覧下さい。
7/19(水)高円寺Jirokichi
  The Blues Power(永井“ホトケ”隆vo&g 浅野祥之g 松原秀樹b 沼澤尚dr) ゲスト:ムッシュかまやつ
バンマス浅野がムッシュの歌う曲も含めて曲順を考えてきたが、予想通りというかいつも通りというかムッシュは曲順をメチャクチャにしてしまった。それどころかリハーサルでやっていない曲を突然始めたり・・・しかし、それがムッシュなのだ。それでいいのだ・・・。そして、この日のムッシュのハイライトは初めて演奏した「ブライアン・ジョーンズ」だった。このムッシュのオリジナルは8/9にavexからリリースされるコンピレーション・アルバム「トリビュート・トゥ・ブライアン・ジョーンズ」に収録されたもので、レコーディングを私達ブルーズパワーがやった。発売されたら是非御一聴ください!
そもそもこの曲を今日ムッシュはやるだろうか、どうかとメンバーで話していたところ「たぶん今日はやらないだろう」「ムッシュが歌詞を憶えていないだろう」「いつものようにYAYAとウォーキン・ザ・ドッグと・・」と私たちは予想していた。その予想も見事に外して、ムッシュは「ブライアン・ジョーンズやりましょう!」と来た。
メンバー一同、やや慌てたが、そこは私以外は名うての優秀なミュージシャンですから、本番はしっかりとバックアップしてました。私はこの曲の「IQ 130のクソ野郎!」とムッシュが吐きすてるように歌うところがたまりません。もちろん、それはブライアン・ジョーンズのことですが、その「クソ野郎!」にはムッシュの愛がこもっています。たぶん、8月のライジングサン・ロック・フェスでムッシュは歌いますよ。ブルーズパワーのコーラスつきですよ。
いつもながらの粋で、お茶目なムッシュのプレイに私達は慌てながら笑いながらの楽しいライブでした。それにしても「バンバンバン」はいい曲だ!中学生の頃から好きだった(ムッシュはスパイダース)からムッシュとこの曲を一緒にやるのは、すごく嬉しい。「ノーノーボーイ」もやりたいなぁ・・・・・。
ところでこの日リハーサルが終ったあと、私はおもしろいものを見つけた。それは松原君のチューニング・メーターだ。別に変なチューニング・メーターではないのだけど、買った時についているピタッとしたビニールのカバーがいまもついているのだ。買ったばかりの車のシートについているビニールを「シートが汚れるから・・」と、ずっと剥がさない奴みたいに松原君のチューニング・メーターには半分剥がれかかったビニールがついていた(photo参照)。私は思わず「わっ!貧乏くさ!」と言ってしまった。すると松原君は「みんなにももう取れやって言われるんですが、もう意地でも取りませんねん」と笑っていた。1流ベーシストの隠れた1面を見た思いだった。
今度、黙って剥がしてやろかな。まあ、写真見てください。
ブル−ズパワー、来月のJirokichiは8/27(日)です。夏真っ盛りですから着替えもって踊りに来てください!

ライブ終了後談
今日はこの前の関西ツアーのDIARYで紹介したギター・テクニカルの「アキバ系」久保ちゃんが登場。その久保チャンが差し入れてくれたバナナが楽屋のテーブルに山のように積まれていた。私らサルやないんやから・・でもうまかった。久保ちゃんは髪をかなり短髪にして「夏仕様」になっていた。たぶん、これから野外フェチじゃなくてフェスの仕事が続くのでさっぱりしたのだと思う。相変わらずの瀬戸内海温暖テイスト(彼は尾道在住)で、東京ビートよりワン・テンポ半くらいすべてのリズムが遅い。仕事は早いのだが、生活のビートはレイド・バックしている。メンバーが帰ったあとも私と私の友人たちのテーブルで一緒に飲んだが、やはり彼だけ会話のビートがゆったりしている。しかし、それが久保ちゃんだ。相変わらず彼女はいないらしい。
ふざけた、いい奴なんだけどなぁ・・・やっぱりユウコリンが好きなのだろうか。コリン所星出身の娘は私の周りにはいないからなぁ。帰り際、「ホトケさん、これ」と言ってプレゼントしてくれたのは、久保ちゃんが真似してくれるおもろいコメディアンが出演している吉本新喜劇を何本かテレビから撮ってくれた嬉しいDVDだった。久保ちゃんが真似するのは、安尾信乃助というまだ新人らしき芸人なのだが、本物よりも真似している久保ちゃんの方が面白いと思った。しかし、ベテランの池乃めだか、吉田竜夫(この人大好き)、辻本あたりはやっぱりめちゃおもろい。やっぱり吉本は売れてお笑いをちゃんとやらなくなって司会や芝居なんかに手を出しているしょうもない連中より、この新喜劇に出ている芸人たちがいちばん面白い。芸人とミュージシャンはライヴやらんかったら終りでっせ!ああ、また吉本の生を観にいきたいなぁ。おじゃましまんねんやわ・・。
7/18(火)高円寺Jirokichi
  The Blues Power(永井“ホトケ”隆vo&g 浅野祥之g 松原秀樹b 沼澤尚dr)
前日、ライブの準備をしていてワクワクしている自分に気づいた。昔、初めてバンドを始めた頃こんな感じだったことを思い出し、いまもそういう気分になれる自分は幸せなのだろうと思った。The Blues Powerを始めて1年ほど、忙しいメンバーのスケジュールをなんとか合わせて月に1度はホームグラウンドのJirokichiでライブをやってきている。メンバーのやりたい曲が次から次に出てきて、私は曲と歌詞を覚えるのに追われている。宿題がいっぱい溜った小学生のようだ。そのたくさんの宿題を消化していった先に自分たちだけのバンド・サウンドが待っているはずだ。そのプロセスをみなさんもライブで一緒に追いかけてください。
今日は初めてエルモア・ジェィムズの"The Sky Is Crying"と"I Can't Stop Loving You"を歌った。"The Sky Is Crying"は長年歌いたかったブルーズだ。「空が泣いている。涙が通りを流れ落ちていく・・・嫌な気分だよ、もう彼女はオレのことを愛していない。ああ空が泣きつづけている。涙がオレの家のドアまで流れ落ちてきている」私の下手な訳ではこの素晴らしいブルーズ詞の良さが分かってもらえないかも知れないが、この歌はエルモアの強烈な歌唱力も伴って名曲と呼ばれるブルーズの中でも文句のない1曲だ。もちろん、この曲はスライド・ギターを弾いてもらわなければ成り立たない。それこそ空を切り裂くようなスライドの音がなければ"The Sky Is Crying"にはならない。浅野君はエルモア・ギターの追求に邁進しているが、その成果がこの曲のギターに出ていたと思う。そして、この3連スローブルーズを叩く沼澤君の1発1発のスネア−に、この曲に必要なヘヴィさとリアルさを感じて気持ちよかった。私も胸の中を凝縮して歌ったが、この曲の奥底に届くにはまだ遠い。"I Can't Stop Loving You"はB.B.のヒット"Woke Up This Morning"をベースにしてエルモアが作ったラテン調のダンサブルな曲で、レイ・チャ−ルズの大ヒット・バラードとは同名異曲だ。
この夜のライブはテンションだけでなく、ブルーズ濃度のとても高い演奏だったと自負しているが、来てくれたみなさんはどうだっただろう?以下、曲目を記します。

1st.Stage
1.San-Ho-Zey(instrumental)
2.Treat Me So Low Down
3.A Little Bit
4.How Blue Can You Get
5.T.Bone Shuffle
6.Same Old Blues
7.You Belong To Me
2nd.Stage
1.Stumble
2.I Can't Stop Loving You
3.The Sky Is Crying
4.Big Leg Woman
5.Long Distance Call
6.Hoochie Coochie Man
7.Got My Mojo Workin'
8.Come On

encore:1.Tuttie Fruttie 2.Crying Time

ライブ終了後談
演奏終了後、久しぶりに松金こと松原金融の社長(photo参照)が楽屋に現れて、ギャラから利息分取り立てられました。「ワシも昔ちょっと芸能界におったんや。テレビにも出ててなぁ・・まあ遠い昔の話やけどな。そやから音楽もちょっとかじってるから、知ってるよブルース。スニーカー・ブルースとかなぁ・・。ブルースパワー、ええバンドやん。まあしっかり稼いで、はよ利息分だけでも返してや。まあ明日も来るわ、ほな、おきばり!」と松金さんはごきげんで帰っていった。偶然来てた石巻の漁師のヨシさんと初対面なのに意気投合していまから「桃太郎寿司」で飲むんやと言ってました。(photo参照)
7/17(月)Back To Tokyo
  ツアーを終えて自宅戻ると、疲れを癒してくれるかのように白いカサブランカが見事に花開いていた。
7/16(日)岐阜 Salt122
  永井“ホトケ”隆&渡辺こうじバンド
Salt122に入るとマスターが飼っているブラッキーな犬「塩太郎」がとびかかって歓迎してくれた。甘えん坊だが、なかなかシツケはしっかりできていてマスターの言うことはちゃんと聞くかわいい奴だ。
渡辺君たちとももう5回目くらいのライブとなり、ドラムの鈴木君やベースの飯沼君ともいい意味で馴染んできた。2部に飯沼君のウッド・ベースと歌だけでサム・クックの"Lost&Lookin'"を歌うという新しい趣向もやった。ベースだけで歌うのは緊張するけど、その緊張感がたまらないところもある。飯沼君、次回またやりましょう。
渡辺君はいろんなタイプのブルーズ・ギターを弾くけど、スライドを使うようなワイルドなスタイルが一番いいように思う。本人はもっとお洒落ギター志向なのかも知れないが・・・。
この店も演奏が終ってからダラダラみんなで飲む感じがいい。今年12月に結婚するというマスターの可愛い彼女もいて、なんかラブラブなムードが漂っていた。店の名前が122だから12月2日に結婚するそうだ。お幸せに!それにしても岐阜行く時はいつも天気が悪い。演奏はいいんだけどなぁ・・・。
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