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6/3(土)松阪 M'AXA
  The Blues Power 2006 北陸〜関西〜東海ツアー(後半)6/3〜6/8
The Blues Power (永井“ホトケ”隆vo&g,浅野祥之g,沼澤尚dr)

神戸から京都で近鉄特急に乗り換え松阪に向った。京都で各自弁当やパンなどを買って電車に乗り込んだのだが、私はできたての豚マンを2個買った。それを食べていたら隣の席にいた沼澤君が「匂いますね。豚マン・・・」と言うので「すまんね」と気遣ったが、「でも、うまそうだな」と何のことはない欲しかっただけなのか。しばらくして気づいたが、確かに豚マンはぶんぶんに車内に匂いを振りまいていた。世間様に迷惑かと少し気になって急いで食った。こういう時に他人のことを気にせず、ゆっくりと食える性格になりたいが、いまから性格改造は無理だろうなぁ。最後は「お〜い、お茶」で強引に流し込んだ。喉にひっかかって少し苦しかった。なんで楽しい、美味しいはずの食事でこういう苦しい目に会わなければならないのか・・・・。
音楽でも聴こう!昨日神戸のタワレコで入手したルース・ブラウンを聴こう!"black is brown and brown is beautiful Ruth Brown"(photo参照)と題されたアルバムは、1969年に"Skye"というレーベルからリリースされたアルバムでいままでCD化されていなかった。私はこのアルバムをすでにレコード盤で持っているのだが、聴き過ぎてノイズがかなり出る状態なので今回のCD化はすごく嬉しかった。このアルバムは参加ミュージシャンがギタ−にエリック・ゲイルとビリー・バトラー、オルガンにリチャード・ティー、ベ−スにチャック・レイニー、ドラムにハービー・ラベルという当時のニューヨークのスタジオ・ミュージシャンの精鋭たちだ。しかし、スタジオ・ミュ−ジシャンだと言ってスノッブな、青白い演奏ではなく、洒落た中にも熱さがジワジワ伝わってくるいいアルバムだ。ルース・ブラウンはブルージーであり、ジャージーであり、ゴスペル・テイストもあるディープな歌唱を聞かせてくれている。彼女の内に秘めた熱さにバック・ミュージシャンたちも触発され熱くなっている様が聞き取れる。
それを聴き終りいい気分で少し眠りに入ったところで電車は松阪に到着。
M'AXAに来たのは半年ぶりくらいか。オーナーの中山君は短髪で涼し気にしているのに、ルックスは熱い。昔行ったことのあるメキシコのティファナに中山君に似た人がたくさんいた。ポンチョを着てタコスを作ってもらいたい。でも、声はアメ横の魚屋のおっさんみたいなのだが・・・。
ここM'AXAでも客席をステージにしてお客さんの一部はステージに上がってもらった。
演奏が盛り上がってきたところで、店の隅でめちゃ面白い個性的なダンスをしているおっさんを発見!結構踊ってくれている人たちがいのだけど、今度はもっと真中に来て踊ってください。この日はとても自然に盛り上がったいい演奏だったと思う。終ってから中山君が店の横でバーベキューをやってくれた。肉も野菜もすごく旨かった。当然、沼澤、浅野、橋川はめちゃ食いしてました。私の実兄や義姉、従姉妹もごちそうになりありがとうございました。今回は打ち上げに初対面の女子高生とそのお母さんもおられたので、我が実兄の「下ネタ」話があまり出ずにホッとした弟でした。
でも、バンマス浅野は耳を傾け兄に期待していた。
6/2(金)神戸 WYNTERLAND
  今回神戸で泊ったホテルが私は前から大好きだ。あまり人気になって泊る部屋がなくなるといやなので名前は伏せる。何故ここが好きかというと、あまり大きなホテルではなくウッディな内装で程よく明るいというのが第一。金属的な感じや石の冷たい感じは好きではない。ここは新しくはないがとても清潔だし、そして静かだ。静かなのは若いチャラチャラした輩が泊っていないということもあるだろう。ホテルのスタッフの方々の対応もにこやかで親切だ。でも押し付けがましくはない。まあ、ホテルとしては当たり前の対応なのだろうが、立派で大きなホテルになると慇懃無礼で冷たい感じがするところが多いし、対応の感じがよくてもお風呂などが古びて清潔感に欠けるホテルもある。自分に合ったいい感じのホテルって意外にないものなのだ。ここは神戸らしい、ほんとにいいホテルだ。
今日は「WYNTERLAND」のこけら落しだ。こけら落しは「柿落し」と書くが、「かき落し」とは読まない。新築の劇場の初めての興行をどうして「柿落し」と言うのか調べてみた。柿(こけら)とは工事をしている時に出る木の屑のことで、工事の最後にそういう木屑をきれいに払い落して初興行に臨むところから「柿落し」というようになったそうだ。今日は「柿落し」だけど「WYNTERLAND」の店の代表はかってのチキン・ジョージのブッキング・マネージャーであり、我々の中部、関西方面のツアー・マネージャーもしている橋川イカ君だし、音響を担当しているのはチキンにいた正木君だから、何もかもが初めてという感じはなくて安心している。音も良かった。
いつも通り軽くリハーサルを終えたところへ「ムッシュ(かまやつさん)が東京からこちらに向っているらしい」との情報が入る。しかし、ギターアンプがないのでスタッフは慌ててアンプ調達に走る。今日は客席にステージを作り、お客さんの一部はステージに上がって聴いてもらうというサークル形式だ。これはPAミキサーの方にはちょっと音作りが難しい(音がハウリやすい)スタイルだが、演奏する方はお客さんとほとんど同じサウンドを聴いてプレイできるので興奮する。興奮症の私にはぴったりだ。
お客さんにも親近感があっていいと思うのだが、どうでしょう?
始まる前、楽屋でバカ話をしているところへ「久保ちゃん」登場。ブッチャーたちは以前から知り合いだが、私はこれで3回目。風貌も一度会ったら忘れられないものがあるが、全体のムードが何と言っていいのか「春の昼寝」みたいとでも言おうか・・。
今日、楽屋に入ってきた瞬間の佇まいは「アキバ系」だった。まあそれはPhotoを見てください。しかし、彼は実にしっかりしたプロのローディでギターのメンテナンスもこなす仕事の出来る男なのだ。
久保ちゃんで盛り上がっているところにムッシュ登場!!ところがアンプまで用意したのにムッシュはギターを持ってこなかった・・・・。そこで橋川君が所有している亡き憲司さん(大村憲司)の黒のストラットを出してきた。ムッシュはそれを弾くことになった。憲司さんのギターがこの「WYNTERLAND」の柿落しに参加するのも何かの縁だろう。それにしてもわざわざ東京から「WYNTERLAND」の柿落しに来られるムッシュは本当に義理堅い。本物の男です。
演奏はもう始まった当初から私の後ろに陣取った「関西ブルーズ・パワー・ヘッズ」とも呼べる一団がすごい勢いで大盛り上がり!テーブルの上には飲んだビールの紙コップが次々と積み上げられていく有様。そういう反応があればこちらもそれを受けて盛り上がるのが当然というものだ。次第に会場のみなさん全員のテンションが上がっていくのが肌に感じられた。踊る人や歌う人や叫ぶ人がたくさんいて、アンコールも実に熱いコールだった。楽しかった。途中から出てもらったムッシュにも歌ってもらいお客さんにはほんとにビッグ・サプライズだったと思う。
終って打ち上げはステーキ「KOKUBU」へ。ここがまた旨い!カウンターが貸きりのような状態になり、まずはワインを・・・。ここが大好きな沼澤君はもうホクホク。
よく喋るよく食うよく笑うよく飲む。あまりの旨さに沼澤君やや壊れかけてました。ここの80過ぎのおかあさんがまた素晴らしい女性で、いまも現役でよく働かれる。ここのステーキが旨いのはもちろんだが、焼かれる野菜も旨い、そしておかあさんが作るガーリック・ライスも美味だ。演奏も良かったし、打ち上げも楽しく、いい夜だった。
ただ沼澤、浅野のバカ食いにつられて食べてしまう自分の身体が次第に重くなっていくような気がするのが心配だ。ワインの酔いもあって曝睡した。みなさん、これから「WYNTERLAND」をよろしく。みんなでいい店にしてあげてください。
とりあえずツアー前半Diaryでした。後半をお楽しみに。
6/1(木)京都 拾得
  金沢から京都へ昼過に移動。車内で今回のツアー読本「男の作法」(池波正太郎著 新潮社刊)を読む。「鮨屋へ行ったときはシャリだなんて言わないで普通にごはんと言えばいいんですよ」とか「若いうちからいい顔というものはない。男の顔をいい顔に変えていくということが男を磨くことなんだよ」とか「手紙を書くのは話しているように書けばいいんだよ。その人と話してるつもりになって」というようなことが書かれている。なかなか教わることの多い読み物だ。私もいい年の男だから作法を身につけないと・・・まあ、とっくにいい年過ぎるわな。
「拾得」は30数年前と何も変っていないかのように丸太町大宮を上がったところにある。ひざの破れたジーンズによれよれのTシャツを着て、すり減った下駄を履いて「拾得」の入り口にしゃがみ込んで写真を撮った30数年前私は「ウエストロード・ブルーズバンド」でここで歌っていた。若い人、気をつけなさい。30年なんてあっと言う間やからね。そして、私はいまも変らずブルーズを歌っている。新しいブルーズへのアプローチがある「The Blues Power」でやっている。いいバンドだと思う。何かもっと音楽的にスペシャルなことが生まれそうな気がする。改めて言うまでもないが「The Blues Power」は「バンド」でありセッションではない。そして、このバンドで自分の音楽の生まれ故郷のような「拾得」で演奏することに格別な思いが私にはある。とてもいいライブだったと思う。京都の友達、フジコやシンゲツ、アニキそして磔磔の水島が観に来てくれた。そして薬局の下村さん!いつも「のど薬」ありがとう!
それから東北ツアーで世話になった仙台ennのオーナー加藤さんが現れた。加藤さんは「いゃ〜良かった!自分が仕切らないでただ聴くだけなのですごく楽しめました!」とやや興奮気味に言っていた。この夜は神戸泊りなので演奏後早々と「拾得」を後にした。みんなと飲めなくて残念!次回は9/20にバンマス浅野祥之とデュオでディープなブルーズ聴かせに「拾得」に行きます。ありがとう、みなさん!
そして、打ち上げは神戸の鉄板焼き屋、めちゃ旨い「合弗」(アイドルと読みます)へ。鉄板上の素晴らしくスピード感のあるここのおかあさんのヘラさばきはジミ・ヘンドリックスの指さばきのようです。1品作るのに何十秒という早業もあります。カウンターに座っておかあさんの手さばきを口を開けてただ茫然と見ている私たちですが、その早業はやたら食欲を誘います。メンバーでいつもいちばん食の細い(他の人たちが食い過ぎなんですが・・)私がバカ食いしてしまいみんなは驚いてました。
5/31(水)金沢 もっきりや
  快晴!昼過に上越新幹線で東京を出発。The Blues Power東北ツアーに引き続き今度は7連チャンの北陸〜関西〜東海の旅だ。東北の9連チャンを乗り切ったのでいささか体力に自信を持った私です。車窓から見えるのどかな田園風景は田植えが真っ盛り。越後湯沢経由で金沢に着いたのは4時過ぎ。金沢駅でツアーマネージャー橋川”イカ君”と合流。すぐに「もっきりや」に向いリハーサル。「もっきりや」は店がこじんまりしているのでドラム、ギターは生音。2.3曲リハをやってバンマス浅野様御用達の店「宇宙軒」に行き、バンマスイチオシの豚バラ定食をいただく。東北ツアーに続いてまた始まった!「ブルーズパワー・バカ食いの旅」。ここの豚バラ定食はいわゆるB級の美味。大衆の気持ちを理解した味と価格(600円)は素晴らしい。ブルーズもそうでなくてはならない。しかし何故店名が「宇宙軒」なのか。そんな疑問も持たずバンマスとイカ君はすごい勢いで豚バラを食っていた。
席をかなり詰めてお客さんに座っていただき、いざライブ。久しぶりに演るフレディ・キングのインスト「サン・ホセ」からスタート。初日にしてはまずまずのスタート。アンコールは"Hoochie Coochie Man"と"Crying Time"で締めた。実はこの日、「The Blues Power Tシャツ」の販売を始めた。ゆくゆくはアパレル関連会社の設立を目ざし、まあ来年の今頃は私はミラノでミラノ・コレクションの準備に忙しいかも知れない。歌もカンツォーネを歌っているかも知れない。夏はコートダジュールの海辺でシャンパンを飲んでシャンソンを歌っているかも知れない。知れないずくしだが・・・。
ところでBP Tシャツの売れ行きはどうだったのか・・・明日の昼飯は食べれるのか・・・バンマスはそれを心配していた。打ち上げはいつもの居酒屋で北陸の海の幸をたらふく食べた。でも、ホテルへ帰る前にやっぱりコンビニに寄って何か食べるものを買う沼澤、浅野の習性に私も慣らされてきている・・まずい。
私が好きな各地のライブハウスのマスターたちはどなたもなかなかの個性派だが、ここ「もっきりや」のマスターも一度会ったら忘れられない方です。顔はラッコに似ていると思うのですが・・・。(Photo参照)
5/20(土)盛岡 club change WAVE
  いよいよ最終日。八戸を出る前に御飯を食べて行こうと加藤さんの手引きで「八食センター」というところに行く。土産物屋と大食堂が合体した大きなショッピング・モールのようなところだ。私たちが食べ始めたところへROXXのママたちも合流して食事となった。やはり寿司になった。ネタが新鮮だから旨い。食べたあと土産物店が並ぶ市場のようなところをぶらぶら歩いて少し土産を買った。ママたちとお別れをして、今日は天気もいいし時間もあるので高速を使わずに、景色を楽しみながら国道をゆっくり行くことになった。車内にはデュアン・オールマンのアンソロジーのアルバムが流れている。東北の美しい風景とデュアンのスライドギターが何故か合っていていいドライブだった。
盛岡に着いてすぐリハーサルをして加藤さんと沼澤君と三人で「やっぱり盛岡冷麺でしょう」と冷麺を食べに・・・。そこは焼肉屋だったのだが、沼澤君は迷わず「焼肉」になった。私は演奏前ということもあって冷麺で我慢した。歌う前にあまり食べると、横隔膜が上がって呼吸が上手く出来ず歌のコントロールが難しくなると昔あるジャズ・ヴォーカル・グループの方に教えてもらったことがある。それを時々思い出すが、誘惑に負けて食べてしまうことも多い私だ。また歌っている時に酒を飲むのはダメだという人もいるが、小心者なので酒を少し飲まないと歌えない私だ。少しではなくたくさん飲んでしまうこともある自堕落な私だ。
今日の「club change WAVE」は店が出来たばかりということでなにもかもが固い感じがする。朋友山岸潤史流の言い方をするなら「匂いがない」。私流の言い方をするなら「色気がない」。それでもあの会議室で使われている折り畳みのテーブルを客席のテーブルに使うのはあんまりだ!つまり事務テーブルだ。それを学校の教室みたいに並べるという神経は音楽という娯楽を提供するライヴハウスとしてどうだろう?私たちもお客さんも興醒めだ。最近のライブハウスはまずスタンディングを想定して、客が暴れることまで考えているのか味気ない。テーブルや椅子や内装のセンスは熟考すべきだ。演奏が終ってもまだ飲んでいたいと思わせるようなムードがライブハウスには必要と思うがどうだろう。私が好きな店はそういう店だ。ツアー最後だったのでいいムードの店でやりたかったというのが率直なところだ。演奏後、仙台まで車を飛ばして帰った。私は明日またJirokichi゛塩次伸二のゲストでライブだ。そして沼澤君はロンドンまでエリック・クラプトンのコンサートを観に行くので朝いちで東京へ戻ると言う。
とにかく毎日精一杯やった。このツアーの間、演奏面において最も反省しなければならないのは私で、沼澤君と浅野君は私の歌に有り余るプレイを連日してくれた。感謝してます。また、ずっと車を運転してマネージャーをやってくれたENNの加藤さんには心からお礼を言いたい。ありがとうございます。まだまだ発展していくバンドなので、これに懲りずにまた呼んでください。そして、今回のツアーの根まわしをしてくれた小岩さんにもお礼申し上げます。また、各ライブハウスのオーナーとスタッフのみなさん、ありがとう。
そして、そして、そしてライブに来て下さった東北のみなさん!また会いましょう。
雨にも負けず風にも負けず・・・北にブルーズを聞きたいという人がいれば私達は駆けつけます。そして、「ブルーズのでくのぼう」と呼ばれたい。ありがとう!
The Blues Power To The People!
追伸-5/31からはBP北陸、関西、中部の7連チャンライブです。各地のみなさん是非ブルーズパワーを浴びに来てください!
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